石窯は理想的なオーブン
このように長い歴史を持つ石窯ですが、実は最新の調理器具にも劣らない優れた特徴があるのです。物体は熱せられると電磁波を発生します。電磁波のなかで遠赤外線といわれる波長の電磁波は物体の分子は激しく動かし熱を持たせます。これがいわゆる輻射熱(ふくしゃねつ)です。輻射熱は物質をすばやく熱するため、まず外側を高温に焼き上げ不用な水分の蒸発を防ぎながらじっくり内部の温度を上げていきます。そのため外側はカリッと内側はしっとりとした仕上がりに焼きあげるのです。昔から石が多くの遠赤外線を発生させることは経験的に知られていたのでした。また、石に含まれる元素の防菌効果で雑菌が発生しにくい、微量金属ミネラルが摂取できるなどの特徴もあります。古代から続けられてきた石窯焼きは理想的なオーブンなのです。
うま味を引き出す遠赤外効果を発揮
うま味は1908年(明治41年)池田菊苗博士が昆布から抽出されたグルタミン酸であることを発見し、日本人固有の味覚とされていました。2000年には舌にうま味を感じる細胞が発見され、今では第5の味覚として世界の共通語「UMAMI」となっています。世界の文化遺産になった「和食」がフランスでも注目され、フランス人シェフも昆布を使うようになっています。このグルタミン酸はうま味を与えるばかりでなく,酸味,塩味,苦味を緩和し,甘味といっしょになると複雑な味の「こく」を出す作用があり,一層おいしさを増します。
実はこのうま味のもとグルタミン酸は遠赤外線を高密度に食材に照射することで増加することが、近年の研究で明らかになっています。遠赤外線放出の高い石窯は、食材のもつうま味を引き出す効果もあるのです。
東京帝国大 菊田博士
約500℃にも達する高温調理を実現
本格石窯Casaは、給排気効率を高めるドーム型。薪の炎がドーム全体を舐めるように広がり、十分に熱した後は、炉内上部は約700℃、同中央部分は約500℃にも達します。高温で一気に焼き上げるピッツァなどはおいしさが増します。電気オーブンの最高温度は250℃が一般的です。
余熱でじっくり長時間調理が可能
塩釜焼きやパン焼き、さらには煮込み料理などの際は、余熱を生かして、じっくり、ムラなく調理することもできます。保温性の高い石窯だからこそ、時間をかけたい長時間調理もお楽しみいただけます。